家族と。利用者と。従業員と。地域と。
私たちだけでできることなんて、たかが知れている。

51円の週を越えられたのは、私の力ではありません。頭を下げた私に、お金を貸してくれた知り合いと親戚がいた。100行以上まわって、物件の購入を支えてくれた銀行が2つだけあった。
エルト桜井を買って苦しんでいたとき、助けを求めた先は、動画をつくる会社でした。最初に言われたのは「ビルの立て直しも、それを成功させるのも、すごく難しい。でも、マーケターとしては、ハードルが高いからこそ、めちゃくちゃやってみたい」。お願いしますと伝えると、なぜか「賽は投げられた」と言われました。そこで始めた「ビルを買った男」の発信が広まり、見てくれる人たちが、いまの私たちを支えてくれています。
はじめて動画が大きく広まった日のことは、よく覚えています。朝、寝ぼけていると、携帯の通知が鳴りやまない。何かがおかしい、と気づきました。気づけば600万回再生、コメントは1,000件を超えていました。
まちを歩けば声をかけられる。取引先からも、古い友人からも、前の職場の人たちからも連絡が来る。何かとんでもないことが起きているんだと、少しずつ実感がわいてきました。
いま、Jam's Designで働く社員は20人です。不動産、福祉、地域活性化と、それぞれの現場で、目の前の人を喜ばせる仕事をしています。資格や経験がなくても始められる仕事もあります。
私の思いつきに、毎回つきあわされるのは、この人たちです。迷惑も、心配も、たくさんかけてきました。
正直に言えば、これまでは人に裏切られることのほうが多かった。でも最近、こんなことがありました。
飛鳥校で送迎に出ようとしたら、車のバッテリーが上がっていた。動けるスタッフも車も足りず、子どもたちや保護者のみなさんに迷惑がかかってしまう。困り果てていたとき、仕事を終えて家で家事をしていたスタッフが、一言の不満もなく、家のことを置いて戻ってきて、子どもたちを送ってくれました。
休みの日でも、勤務時間の外でも、ピンチのときに子どもたちや会社のために動いてくれる。その姿に、心から感動しました。
私のそばには、いつも2匹の家族がいます。チワワのニコと、トイプードルのモコ。寝るときも、そばを離れません。どんなに苦しかったときも、この2匹が救ってくれました。
番外編 ── ニコとモコに救われた日エルト桜井では、お店や教室に入ってもらい、駅前に人が戻る場所をつくろうとしています。ビルに入ってくれるお店、通ってくれる子どもたちと保護者のみなさん、立ち寄ってくれるまちの人。その一人ひとりが、この立て直しの仲間です。
